利用促進グッズ
販売促進のために購入者特典として何かを配るということはよくある。
販売ではないが、図書館でももれに倣って利用促進を図ってはどうかと思う。しかし、あくまで貸出しを促進するというよりも、図書館への来館を促したり、事業への参加を促すための手段としてである。事業というとクリスマスおはなし会として、特別なおはなし会を行うときに、サンタに扮した館長が図書館員手づくりのプレゼントを渡すという話はよく聞く。この延長線上で、テーマ展示の資料を借りると、ポップアップカード型ブックリストがもらえるというような企画を立てるようなことを考えていた。ここでの目的は、ポップアップカードがもらえるという特典を付けることにより貸出し利用を促進するように見えるが、実はそうではない。勿論、借りてくれるに越したことはないが、ポップアップカードには、「ポップアップカードを作ろう」という事業の案内と参加券を付け、そちらの事業への参加を促進するのである。
つまり、この考え方で重要なのは、図書館が仕掛ける一つのアクションについての利用促進に留まらず、複数のアクションをつなげ利用を促進することである。
図書館では上映会を行っているが、その流れとしては、上映告知を出して入場者を募り、当日時間になったら上映会を始めるという、場末の映画館とどこが違うのかという内容である。工夫があるとしても、上映作品に関する本を会場に持ってくるか、館内のどこかに展示してあるぐらいで、図書館ならではの魅力など欠片もない。図書館でこのような上映会を行うのであれば、司書による映画の解説トークぐらいはあっていいのではないかと思う。
ただ、利用が少ないからと言って上映会を行わないという傾向もある。利用促進という意味ではやらないよりやった方がいいのは当然であるが、このような図書館だからこそ味わえるという差別化が必要であると同時に、映画を目当てに来た人をどのように図書館の他のサービスにつなげるかという事の方がより重要なこととなるであろう。図書館の上映会の目的は何かと尋ねると、「上映会への入場を増やすこと」という答えを聞くことがある。しかし、事業の目的はそうではない。事業に参加することによって生まれるものが必要なのである。それは、図書館の必要性でもあり、しいては、働く人に対する報酬の必要性の認識でもある。さらに言えば、税金を払うことの意義でもあるだろう。
このような意識を醸成するためには、「参加して面白かった」「借りられて良かった」「開いてて良かった」というコンビニエンス的な充実感を図書館側が求めるようなサービスの組み立て方ではいけない。様々なサービスの連鎖を作り上げ、「この人(たち)がいて良かった」という意識が生まれるようなサービスを組み立てなければならない。
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