前回までの続きで、貸出の形態を整理する前にICタグの話から。
ICタグを図書館に導入してみたいという気持ちはあるが、大きさと価格の問題が解決しない限り難しいのではないかと思っている。実際、私のいる図書館には蔵書が24万冊ある。ICタグの単価が1枚100円で計算しても全部に貼ると2400万円かかる計算になる。この金額は年間の図書費に匹敵する数字であるため、ただ単に蔵書点検が楽とか、貸出作業が簡単とかいう理由だけでは導入できないだろう。
仮に年間の盗難などによる不明図書の冊数が3000冊あったとして、ICを導入することで、300冊まで減らすこどができるとすれば、これは適正な資料管理という意味で導入の必要性があると言えるのかもしれない。しかし、毎年不明となる資料数は300冊前後で、ICを導入してゲートを設置しても不明数がゼロになることは考えにくい。
という訳で、今のところICタグの導入に関してはどちらかと言えば否定的な見解を持っている。冗談の中で「単価が5円ぐらいになったら考えてもいいよ」などと言っているが、あまり期待はできない金額だろう。業者によれば、単価50円ぐらいになれば、かなり普及するのではないかと言うが、果たしてどうだろうか。
ICタグの話はこれくらいにして、進化した貸出の形態について考えてみたい。貸出の流れは大きく2つに分けられるだろう。1つは従来型の人が仲介する形、もう1つは無人で行なう形となる。
人が行なう形については、これまでのようにサービスデスク(カウンター)で向き合って、貸出だけをやるというのではなく、対面でお互いが座った状態で、読書の相談をしながら或いはレファレンスをしながら必要な本を揃えていく。わかり易い例で言えば、旅行会社で対面で座って旅行のプランを練り上げて行くようなスタイルだろう。この中には、(5)のエントリーでも取り上げた携帯情報端末を使ったフロア内での貸出処理も含まれる。
逆に相談も必要ない本当に自分で勝手に探して借りていくだけという人は、自動貸出機があればそれを使うだろうし、自動改札型のゲートがあれば通過するだけで何の煩わしさも感じずに図書館を利用することだろう。また、出入口の近くにスーパーのレジカウンターのような形のゲートがあってもいいだろう。
館内のOPACは、どちらかと言うと目録カードの替わりのような形で設置された筈だが、そういう目的での設置だとすれば、あまりにも台数が少な過ぎる。カタログとしての機能をフルに発揮させるのであれば、開館時間10分に平均何人の人が居て、その人数の1/10ぐらいの台数があっても良いのではないだろうか。
さらに、個人情報保護の関係でどうかわからないが、OPACから個人が設定した「マイページ」のような画面にログインすることができて、そこに、後で読みたい本などがあれば登録しておくのもいいかもしれない。また、予め登録しておいたジャンルの本が図書館に入荷したら本人に通知するリマインダー機能とか、シリーズで一度申し込みをすれば、続きが入荷したと同時に自動で予約入力をする継続予約など想像はさらに広がっていく。
ただサービス構築の中で無人か有人かという論議もあるが、どれをコンピュータ化するのかしないのかという見極めも必要であり、何でもかんでもただ闇雲にコンピュータ化すればいいというものではない。デパートで駐車場誘導一筋30年という人は500m以上離れた所にいる車が上得意様かどうかを見分けることができるという。このような、一種の職人技のような司書だからこそできる部分も必要だと思うし、そういう場面で司書でなければと言わせるようでなければいけないのではないかと思う。
長くなったので、館外と無人のサービスの残りの部分については次回に廻したい。(整理すると言っておいて少しも整理できていないようだが気のせいだろうか?とりあえず続く)
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