2008年12月 7日 (日)

[Floor1]これからの棚づくり

それは、徹底した「棚づくり」をすること。

この図書館は、主にフロアでのサービスをする「遊撃部」、蔵書管理をする「資料部」、広報と情報サービスをする「情報部」、そして、施設管理をする「総務部」により構成されている。
開架の棚づくりをするのは、普通に考えると、貸出などのサービスをする遊撃部であるように見えるが、フロアで棚づくりの中心になるのは資料部のメンバーとなる。
その理由は簡単で、書庫資料を含め、トータルな形で棚を構成するという意図があるからで、分類順というような単調な棚構成ではない、大胆な棚づくりを要求するからだ。

具体的に絵本の棚を見てみたい。
従来の図書館でよく見られる絵本の棚は、画家の50音順などで並んでいるだけという場合が多い。絵本の場合、表紙を見せることで利用に違いが見られるので、近年つくられた図書館では、表紙見せができる書架を置く所が増えたが、フロアに置いてある本の構成については、年間を通して展示している本が多少変わるものの、殆ど変化がない。
そこで、この図書館では、絵本のコーナーを「定番」、「シーズナブル」、「特集」の3つのゾーンに分けた。「シーズナブル」とは聞き慣れない言葉だが、ここに配置するのは、季節に合わせたイメージを持つ本で、年間通して同じ本を置くのではなく、季節毎に年8回、開架にある全部の本を入れ替えるようにしている。もう一つ、「特集」のコーナーも基本的にはシーズナブルと同じ考えであるが、こちらは「乗り物」「動物」などのテーマ毎開架に配する本を決める。なので、「シーズナブル」と「特集」の棚は極めて流動的となる。その中で年間通して開架に置く必要がある本を配置したのが定番のコーナーで、ここには、長く読み継がれている本を画家の50音順に配している。

この棚づくりのポイントをまとめるとこうなる。
『そこにある蔵書全体から、ある時点で最も紹介すべき本が前面(開架)にある。』
この体制を維持するために、資料の選定は遊撃部と情報部のメンバーからの情報を基に全員で担当する。受入れに関しては、資料部のメンバーが中心となり、初期配置場所を決定する。通常であれば、新刊は開架に配置するのだろうが、ここでは、初期配置場所が書庫というのも当たり前である。

資料を活かすために必要な情報収集は、カウンターに立っていれば集まるというものではない。フロア全体で見れば、返架の際に声を掛けられる方が余程多いし、図書館内だけでは把握できない要求も多い。だから、この図書館はすべての部において情報収集ができる体制を基本としている。その情報収集こそが、この図書館の「棚づくり」の基礎となっている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月25日 (火)

[Floor1]貸出カウンターのない図書館

カウンターに立つ事は大切、でも、ここで敢えて貸出カウンターの無い図書館を作ってみたいと考えた。貸出が大切という概念と貸出カウンターが無いという状況を照らし合わせると矛盾しているではないか?と言うが、実際のところ矛盾はしていない。

寧ろ、司書の必要性を強調したいのであれば、貸出カウンターなど不要だ。煩わしい対面での手続きが嫌な人のために自動貸出機を数台設置しておけばいい。その上で、スタッフ全員が個人IDの付いた携帯端末を持ち、フロアで書架整理をしている。数人のスタッフは、自動貸出機の近くで待機し、操作の手伝いをしている。さらに時々、お客様を書架へ案内しながら、携帯端末で貸出の手続きをしている。

これまでの図書館では、本の盗難や切り抜きが問題になっていたが、貸出カウンターを無くすと、この点においても効果が期待できる。スタッフは、書架整理をしているだけでなく、お客様の動きをシッカリと見ている。とは言え、万引きを見張るような感じではなく、迷っている人がいないか...など、声を掛けられたら直ぐに対応できるように目配せをしている。
このように必然的にスタッフの仕事場はフロア内となるので、お客様と同じ場所、同じ目線に立つ時間が増える。つまり、常にスタッフの眼がある状態にできるため、盗難等の抑止にもつながる。勿論、100%ではないが、これにBDSを併用すれば、かなりの効果が期待できるだろう。

さらに、貸出カウンターを無くす事には、もう一つの意図があった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

[Floor1]巨大民立公共図書館?

近未来の話をしたい。
いま公共図書館は存続の危機に立たされている。

国家予算の破たんにより、地方自治体の財政も産業基盤を持たない地域を中心に連鎖的に破たんし、もはや図書館の維持どころではない。過去には、指定管理者で民間企業やNPO法人に図書館経営が委ねられたが、その経費すら出せる状況ではない。
それでも住民からの図書館を必要とする声が根強い地域では、新たな経営形態の図書館が誕生していた。その1つが、「Library Resort Garden」という、大規模な宿泊施設とショッピングモールを併設した図書館である。
この施設、これまでの図書館と何処が違うかというと、いや、民間企業が経営している以外、公共図書館としての機能自体は全く変わらない。国会図書館のような膨大な蔵書は勿論無料で利用できる。

幾ら近未来とは言え、本当にこんな図書館が現実となるのだろうか?と疑念を抱かれる方が多い、寧ろ殆どではないかと思う。現実世界では、巨大スーパーの店舗内にある図書室が相次いで閉鎖されているのだから。利益を求める民間企業が、無料のサービスを担う事があり得るのかと問われれば、当然疑問も湧くだろう。
ただ、「無理だ」という前提があった上で、新しい事業を進めようとしても話が先に進まないものだが、その前提を取り払った状態で自由な意見交換をし、その中で実際に実現できそうなソースを見つけていかなければ話など進まない。だから、ここは従来の公共図書館という概念を取り払った上で話を進めたい。

ただ、公共図書館とは言え、民営という話であれば、税金関係や著作権など、様々な問題が想定できる。さらには、経営資金をどう確保するかという話もある。そう考えると、民営の図書館のハードルは随分高いように思える。
が、しかし、逆にやり易い側面も存在する。特に、人材活用という面では、人事の独自性を確保できる。また、運営経費という面では、独自性を持った人材活用により、業務関連の技術開発、特許等の取得なども容易になり、安定した収入源を確保できるようになる。また、寄付の受け入れやショップの経営についても、公立である場合に比べ、より柔軟な対応が可能となるだろう。

こんな巨大プロジェクトは遂に動き始めた。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2008年10月19日 (日)

[雑感]第3章へ移行する前に、失望と希望について

余りにも唐突な行動に、遂に切れたかと思ったかもしれないので、若干の補足説明をしておきたいと思います。

体調が充分ではないという事実があり、更新が途絶えたというのは確かなのだが、実は、4月以降若干の心境の変化があり、業界のある一部に対する失望が増幅したことが、今回の行動につながった。
いちいち細かいことを直接言っても、そんな事には全く問題意識を持たないようなので、既に意見する気は遥か昔に失せていたのだが、それでも、先細りする現状を少しでも打開するために助力にでもなればという想いがあったので、多少なりとも協力できればと思っていたものの、そんな想いは見事に粉砕されたなという出来事がいくつかあって、完全に失望したというのが正直なところです。

いろいろ悩みましたよ。
この業界を去ろうかとも考えたりもしましたし、でも業界の膿の部分を見なければ、自分としては図書館という空間が好きなんですよ。だから、どうすれば希望が持てるようになるのか、司書の仕事が社会の中で認知され、必要とされるようになるのか、それを現在の位置とは違う位置で俯瞰してみたいと...その上でこれからの自分のやるべき事をもう一度考えてみたいと思っています。

同時に、今、何か書きたいとか、絵などを描きたいとか、クリエイティブな衝動に駆られています。
ある意味、現実逃避かもしれませんが、この衝動の大きさは、それだけ、業界に対する不信感と失望の大きさの表れだとも言えると思います。
この失望した感情のまま現実に身を任せるのも、どうにも性分に合いませんので、予てから考えていた、可能性の世界をとりあえずまとめてみようと考えたのが、「第3章」です。

民間企業が社会貢献の一つの形態として図書館経営をしたら?
高級リゾートホテルを併設した図書館で、作家との交流、夜のおはなし会などの多彩な催しものがある。
このような収益の部分と、地元住民への還元の部分のバランスが取れた図書館。
何よりも、人材の確保が最優先で必要な図書館であること。
など、今存在する図書館の中から、システムでもない、貸出数でもない、開館時間でもない、空間でもない、「人」が主役となるような世界を示すことで、これからの図書館像を考えていきたいというのが真の目的です。

今更言うまでもなく、自治体の経営する図書館には限界があります。特に予算面の限界は深刻であり、自治体財政が厳しい折、図書館だけが聖域となることは不可能であることは明白です。すると、私たちは許された予算の範囲で細々とやればいいのか、自治体の規模に相応な図書館を持っていればそれでいいのか。人件費を切り詰めるのはやむを得ないのか。
結局、今の業界には、次の世代を受け入れるだけの器が無い、それどころか、今現実に仕事をしている私たちが収まる器すら失いつつある状態で、これは社会で例えれば限界集落に近い状態かもしれません。そんな状況の中で自身の保身を考え安穏と仕事をするだけであれば、どんなに楽かわかりませんが、それでは納得いかない。実に損な性分ではありますが、いろいろあった中で、公務員という身分について自分自身で納得できなくなっているのです。

だから、夢語りを始めるのかい?やっぱり現実逃避じゃないか、と思うかもしれませんが、いや、現実でも可能な限りできることはやった上で、只の夢で終わらせるつもりはないので、いや、一緒に夢の図書館を創っていきましょうよ。と、いう訳で、また暫くお付き合いください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月17日 (金)

[第3章プロローグ]Library Resort Garden Story

予告。

普段よく目にする物語の世界にしても、現実世界で感動を呼ぶようなストーリーがあるのかと言うとそんな事は無い訳で、それでも図書館が主舞台となった物語を殆ど見掛けないのは、恐らく、図書館自体が動的ではない、つまり動きが穏やかで静かな場所というイメージがほぼ定着していて、「絵」にならないような感じがするからかな、と想像してみたりする。

以前からいろいろと構想を練っていたのだけど、図書館そのものをもっと動的に捉え、さらに、その中で生きる人たちを細かく描写すれば、何かもっと違ったイメージをアピールできるのではないかと。そこで、民設民営の図書館というフィクションの世界でのヒューマンストーリーを展開してみようかと考えてみた。

表題の「Library Resort Garden」とは図書館を中心に構成する、ホテル、アミューズメント...。11月初め頃より、のんびりと書いていきたいと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月12日 (日)

[今日のひと言]ご心配をお掛けしております

体調を崩してから1ヶ月以上経過してしまいました。
こちらの投稿は、残された体力を分散させて使うのは得策ではないという判断の下、暫く休止していました。正直言って、今も何かを書くような余裕はないのですが、各方面にご心配をお掛けしたままにしておくのも心苦しいので、この場でお詫び申し上げます。

この期間、いろいろ考える処がありました。
まず、「このままでいいのか?」ということ。何か、自分のやりたい事と現在の状況がだいぶ食い違っているように思う日が続いています。だからと言って、直ぐに何らかの行動を起こすというものではありませんが、何かを変えなければいけないターニングポイントに来ていることは確かだと思います。

考えてみれば、「図書館とは何を提供する所か」という根幹の部分で今、大きく揺らいでいるように見えます。貸出がどーのとか、レファレンスだとか、本の汚破損だとか、そんな諸問題を解決しようと思った時、本当は何をしなければいけないのか?その解決方法として、常に各論の末端部分で、小手先の解決に終始しているようで、根本的な部分は何も変わらない。だから、何かがおかしいという感覚が日増しに強くなるこのごろです。

と、疑問符を投げかけるようなもの言いをしつつ、実はどうすべきか、という結論は自分の中ではとっくに出ている...その結論が危機感となって、いま、危機感を持って現状に向き合わなければ本当に手遅れになると思い、それを伝えようとしたのがこの場です。ただ、読んだ方の自尊心を傷つけないように直接的な表現は避け、全てにおいて遠まわしに書いていたのですが、逆にそれは伝達手段としては意味が無かったようです。

さて、愚痴めいたことを延々と書いていますが、何を言いたいかというと、これから先は現実世界とは一線を隔したフィクションの世界で、いろいろな図書館の未来を語っていきたいと思います。とはいえ、語彙も表現力もありませんのでケータイ小説並みの大した内容にはならないのでしょうが、何事においても理想とか夢は大きく持たないと、そんな部分が現実世界の不安な部分を打ち消す力にもなるでしょうから。

そんな訳で、「DORAの図書館日報」から始まり、「DORA-LOG」へと続いた第2章はこのエントリーを以て終了します。第3章は、こちらのアドレスのまま、もう少し休養を取った後に再開します。
これまで、お付き合いいただきありがとうございました。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年8月24日 (日)

[今日のひと言]近況

とても更新できるような状態じゃないのだけど、近況報告。

引き続き厳しい状況です。
何がって、
大地震発生直後に台風マリーとキャスリーンに立て続けに直撃されたような感じです。

特に、メンタル面で限界を超したようで、
どうしたら復調するのか、今は何もわかりません。

では。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年8月20日 (水)

[今日のひと言]太っ腹

最近じゃ、太っ腹な人のことを「メタボ」って言うらしい。
すると、
痩せていても大判振る舞いをする人も「メタボ」になる訳だ。

納得いかないな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月12日 (火)

[今日のひと言]正念場

取り敢えず引き継ぎはしておいた方が無難かも。

少しこちらの更新もお休みします。

心配ごと・・・
いろいろと重なってきましたので。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月 8日 (金)

[今日のひと言]さらに、図書館の役割

以前「図書館は元気を売る」と書いたことに対して、図書館は金儲けの場ではないとの指摘があったりして。そこまで対価を得ることに拒絶反応を示すのは、少々度が過ぎるのでは?と言うより、呆れ気味。比喩表現にまで無料の原則を守ると主張するのはとても立派です。

そんな訳で、もう一つ到達すべき役割を思い付いたので、多少言い換えてみたい。

「図書館は安心を提供する場所です。」

そう、安心を得るために、人は情報を求めるのだな。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

«[今日のひと言]資格認定