[Floor1]これからの棚づくり
それは、徹底した「棚づくり」をすること。
この図書館は、主にフロアでのサービスをする「遊撃部」、蔵書管理をする「資料部」、広報と情報サービスをする「情報部」、そして、施設管理をする「総務部」により構成されている。
開架の棚づくりをするのは、普通に考えると、貸出などのサービスをする遊撃部であるように見えるが、フロアで棚づくりの中心になるのは資料部のメンバーとなる。
その理由は簡単で、書庫資料を含め、トータルな形で棚を構成するという意図があるからで、分類順というような単調な棚構成ではない、大胆な棚づくりを要求するからだ。
具体的に絵本の棚を見てみたい。
従来の図書館でよく見られる絵本の棚は、画家の50音順などで並んでいるだけという場合が多い。絵本の場合、表紙を見せることで利用に違いが見られるので、近年つくられた図書館では、表紙見せができる書架を置く所が増えたが、フロアに置いてある本の構成については、年間を通して展示している本が多少変わるものの、殆ど変化がない。
そこで、この図書館では、絵本のコーナーを「定番」、「シーズナブル」、「特集」の3つのゾーンに分けた。「シーズナブル」とは聞き慣れない言葉だが、ここに配置するのは、季節に合わせたイメージを持つ本で、年間通して同じ本を置くのではなく、季節毎に年8回、開架にある全部の本を入れ替えるようにしている。もう一つ、「特集」のコーナーも基本的にはシーズナブルと同じ考えであるが、こちらは「乗り物」「動物」などのテーマ毎開架に配する本を決める。なので、「シーズナブル」と「特集」の棚は極めて流動的となる。その中で年間通して開架に置く必要がある本を配置したのが定番のコーナーで、ここには、長く読み継がれている本を画家の50音順に配している。
この棚づくりのポイントをまとめるとこうなる。
『そこにある蔵書全体から、ある時点で最も紹介すべき本が前面(開架)にある。』
この体制を維持するために、資料の選定は遊撃部と情報部のメンバーからの情報を基に全員で担当する。受入れに関しては、資料部のメンバーが中心となり、初期配置場所を決定する。通常であれば、新刊は開架に配置するのだろうが、ここでは、初期配置場所が書庫というのも当たり前である。
資料を活かすために必要な情報収集は、カウンターに立っていれば集まるというものではない。フロア全体で見れば、返架の際に声を掛けられる方が余程多いし、図書館内だけでは把握できない要求も多い。だから、この図書館はすべての部において情報収集ができる体制を基本としている。その情報収集こそが、この図書館の「棚づくり」の基礎となっている。
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